先日バイクのオイルは継ぎ足して良いのか?という質問をみた。オイルが減って、継ぎ足しが必要な場合は実は故障の前触れのサインかもしれない。
その理由を記事にしていこう。
バイクのオイルは基本的に継ぎ足ししない。
見出しを見て驚いた読者もいるのではいだろうか?そう、実はバイクというのは基本的にオイルの継ぎ足しはしなくても良い様に出来ている。
「いやいや、僕がオイルを確認したときは減っていたし継ぎ足の必要があるでしょ?」
確かに極少量であれば減るかもしれないが、それでもレベルゲージ内での範疇の話だ。
実はオイルの継ぎ足しが必要な状態はエンジン内部の修理が必要になっているサインかもしれない。
しかし、特定の条件の時だけオイルの継ぎ足しが必要な時があるのも確かなので、その条件を書いてこう。
バイクにオイルを継ぎ足して良い条件とは?
バイクにオイルを継ぎ足していい時の条件とは、
オイル交換の直後の油面確認時
乗っているバイクが2サイクル(2ストロークエンジン)のバイク
以上がオイルの継ぎ足し定位時の条件だ。それぞれ説明していこう。
オイル交換直後は、交換終了時に内部に新しいオイルを循環させるために一度エンジンをかけ、
数分放置した後にレベルゲージを確認して、少ないようであれば適量を継ぎ足すという具合だ。
このタイミングでは継ぎ足しても問題ない。
次に、乗っているバイクが「2サイクルエンジン、2ストロークエンジン」と呼ばれるエンジンを搭載している場合だ。
2サイクル、2スト呼び方は違うがどちらも同じ意味だ。
現代では環境問題の関係で新車では販売されていないが、中古車では出回っているので、絶対数が少ないが、原付スクーターでも出回っているエンジンのバイクだ。
バイクに見識がなく、特に意識しないでバイクを購入した場合は2サイクルの可能性もあるので、一度自分で該当しないか調べてみてほし。
バイク屋さんに持って行けば教えてくれるし、ネットで検索してもいいだろう。
で、この2サイクルエンジンのバイクだが、このエンジンはオイルをガソリンと一緒に燃焼して消費する構造となっているので、走行が増えればガソリンとオイルが減っていくのだ。
だから2サイクルの場合はオイルを継ぎ足すというのは至極当然のことなのだ。
しかし、カブのような「4サイクル、4ストロークエンジン」と呼ばれるバイクはオイルを燃焼する構造になっていない。こちらも呼び方が違うだけで意味は同じだ。
現代では4サイクルエンジンのほうが環境問題試験をクリアしやすく、各自動車、バイクメーカーが主流としているエンジンだ。
で、先ほど説明したように、カブのように4サイクルエンジンを搭載しているバイクのエンジンオイルは、燃焼するようには作られていないので「オイルが減って継ぎ足しが必要」
という状態は何らかの異常のサインを疑っていいだろう。
では、その以上のサインとは何なのか見ていこう。
オイルの継ぎ足しが必要な状態はエンジン異常のサイン?
オイルの継ぎ足しが必要なほど、オイルが減る状態のバイクに考えられる、代表的な原因を書いていこう。
オイル抜く場所のボルトが緩んでいる
エンジンの隙間からオイルがにじんでいる&漏れている
エンジン内部の部品が消耗している
基本的に考えられるのは上記の3点だろう。では1つずつ説明していこう。
・オイルの抜く場所のボルトが緩んでいる場合
おそらくこの場合が一番解決しやすい原因だろう。簡単に言ってしまえば、エンジンの下にあるオイルを抜くボルトが緩んでいてオイルが滲んで漏れている場合だ。
この場合は単純に増し締めするだけで、オイル漏れが止まる可能性もあるが、どうせならオイル交換をして、ボルトの隙間を埋めるワッシャーを新品に交換しておこう。
ワッシャーとは簡単に言ってしまえば、ボルトを締めたときに潰れて、ボルトとエンジンの隙間を埋める役割を持っている部品だ。
この部品を何回も再利用したりすると、やはりオイル漏れの原因になるので、オイル交換の際には毎回交換することをお勧めする。
・エンジンの隙間からオイルがに滲んでいる&漏れている
この場合は少し厄介だ。
先ほどのボルト同様に、エンジンの上部にある「シリンダーヘッド」と呼ばれる部位のボルトを増し締めすることで解決できる場合もある。
しかし、シリンダーヘッドのボルトはすごく繊細な部位で、素人がうかつに増し締めすると返って状況が悪くなってしまう可能性もある部位だ。
普通の工具ではなく、トルクレンチという見識がない人には少し特殊な工具でボルトの締め付ける力を管理しなくてはいけない。
本来であれば、バイクや車のボルトはすべて締め付ける力が、マニュアルにより指定されているので、シリンダーヘッドに限らず管理するのが一番ベストだ。
シリンダーヘッドの増し締めは、より繊細な作業になるので、バイク屋さんに頼むのが僕たちプライベーターには一番の選択だろう。
まし締めでもオイルの漏れが止まらなければ、次にすることは「ガスケット(パッキン)」の交換だ。
外から見えるエンジンの隙間には「ガスケット」と呼ばれるパッキンが入っている。このガスケットがエンジンの隙間からのオイル漏れを防いでくれる役割をしている。
だが、このガスケットも劣化してくると本来の役割を果たせなくなる。
こうなると増し締めでもオイル漏れは止まらず、ガスケットの交換を余儀なくされる。
ガスケットの交換はエンジンを分解しなくてはいけないため高度な技術や知識が必要になってくる。
カブのように部品点数が少ないバイクであれば、自身の見識を深めるために挑戦してみてもいいだろうが、大きなバイクになれば部品の数も増える。
また、エンジンの部品を分解しないといけないので、費用も高額になる傾向にある。
工賃は高いかもしれないがプロに任せるのが安心だろう。
・エンジン内部の部品が消耗している
次に、ガスケットの交換と共にやっておきたいのが「ピストンリング」と呼ばれる部品の交換だ。
なかなか聞きなれない部品だと思うが、ピストンリングの役割は簡単に言うと、エンジンの中でオイルが入ってはいけない場所にオイルが入らないようにしたり掻き出したりしている。
このピストンリングが消耗してくると、本来オイルが入ってはいけない場所に入るオイルの量が増えて、オイルが消費されていくようになっていく。
そして知らない間にエンジンオイルの継ぎ足しをしなくてはいけないほどに減ってしまうのだ。
また、エンジン内の「バルブ」と呼ばれる吸排気部品にも似たような部品がついているが、そちらも消耗することによってオイルが入ってはいけない場所に入りるようになる。
こちらの部品も同時交換しておいたほうが無難だろう。
この状態のことを「オイル下がり」「オイル上がり」という。
両者の違いについてはこの記事では方向性が変わって来てしまうので割愛するが、どちらもエンジンにとって良くないことは確かだ。
このように、エンジン内部の部品の消耗が原因でオイルが減っていく場合は、高度な技術と知識が必要になるため、バイク屋さんに頼むと高額になる。
では、このようなオイルの継ぎ足しが必要にならないためには、どうしたらいいのかを説明していこう。
バイクのエンジンオイルが減らないようにする対策とは?
バイクのエンジンオイルが減らないようにするには一体どうすればいいのか?
それはやはり定期的なエンジンオイルの交換が望ましいだろう。
エンジンの内部では、金属部品が高速で擦れ合っているので、エンジンが動いている限りは常に消耗している状態だ。
なるべく金属部品に負担をかけないためには、やはり新鮮なオイルでの潤滑が好ましい。古いオイルでは油膜の耐久性も劣化している。
しかし残念ながら、永久に減らないようにすることは難しいのが現実だ。
先ほど説明したようにエンジン内では部品同士が高速で擦れ合っているのだから、絶対的な消耗は避けられないのだ。
言ってしまえば、車やバイク全体が消耗品の集合体だ。
だからと言って古いオイルのまま乗れば、本来発揮できるはずの耐久性も短くなってしまうのは想像に容易いだろう。
(エンジンオイルの交換頻度に関しては別記事にしている)
バイクのオイル継ぎ足しのまとめ
いかがだっただろう?
カブのように4サイクルエンジンを搭載したバイクのエンジンオイルが継ぎ足しが、必要になる状況がエンジンにとって良くない状況だということは理解できたはずだ。
もし、あなたのバイクのオイルが継ぎ足しが必要な状況で、オイルの漏れが外見からは判断できないようであればエンジン内部の部品が消耗している可能性が高い。
いま一度バイク屋さんに状況を見てもらったほうが、今後の愛車のためだろう。
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